私はイタリアとトルコで合計3ヶ月程、WWOOFをした事がある。
修道院や、山奥のレストラン、人口2人の村で労働力を対価に得た、かけがえのない思い出の数々。今までの人生で様々な団体に属してきたが、これほど内容が濃く充実したものはなかったと思う。
本記事では世界中で人気のWWOOFについて余すとこなく発信していくつもりなので、読み終わった頃には、次回の海外旅行計画時に是非選択肢にいれたくなってくれると嬉しい。
WWOOF(ウーフ)とは
WWOOFはWorldwide Opportunities on Organic Farmsの略で、一言でいうと、「農家などのホスト先で労働をし、対価として食事とベットを貰うボランティア活動」ができる団体でだ。
このサービスを理解するポイントは、
- 金銭のやり取りが発生しないからボランティア活動。ただし、団体への会費あり
- ホストは農家に限らず、ゲストハウスやレストランも存在する
- ボランティア期間や内容は全て、ホストと直に交渉
- 国際団体っぽいが、実は国ごとに別個活動している
- WWOOFing中は現地人に加え、他の旅人にも出会える
といった感じ。
正直ホスト選びさえ失敗しなければ、まず間違いなく良い経験ができると思う。
WWOOFer(ウーファー)とWWOOFing(ウーフィング)
海外ではしばしばWWOOFで活動する参加者のことを、WWOOFerと呼ぶ。
WWOOF + er(〜する人) = WWOOFer
語源はシンプルなので覚えとくと、突然「Are you the WWOOFer(あなたが例のウーファーですか)?」と言われても、テンパることがなくなるはずだ。
またWWOOFingとは、ウーフという活動をする事を指す。
WWOOF + ing(〜する事) = WWOOFing
例としては「I wanna do WWOOFing(ウーフィングしたいな).」といった使い方がある。
団体への登録/利用方法
登録方法
手順はとてもシンプル。
- WWOOFをしたい国の公式サイトへ飛ぶ
- 申請し、登録料を支払う
- 完了
でも「なぜこんなに簡単なのか?」と疑問に思った人、きっといるはず。理由は、団体側のスタンスにあると言えるだろう。要は、完全な放任主義なのだ。
- 登録完了することで得られる権利は、ホストのリストにアクセスできることのみ
- 団体は、ホストとの交渉やトラブルには関与しない
利用方法
利用方法も、これまたシンプルである。
- ホストのリストから、いくつか候補を選ぶ
- 直接連絡し、期間/内容を話し合う
- 現地へ赴く
個人的には、団体が橋渡しをするような回りくどいシステムではないのが嬉しい。場合によっては、数日前にお願いしても受け入れてくれることもあるので、行き先に困ったら一斉送信するのもありかと思う。
海外でのWWOOF体験談 in イタリアとトルコ
イタリア
イタリア北部、トスカーナ地方のとあるゲストハウスで、イタリア料理と馬の世話を3ヶ月程しました。私は英語が話せるけど、ホストはほぼ話せないので基本イタリア語・・・同時期に滞在していたオーストリア人の男性が多少イタリア語を話せたのに、非常に助けられた。持つべきものは・・・仲間です。
- 期間: 3ヶ月
- 仕事内容: ゲストハウスの掃除、イタリアの伝統的石家の建築、馬の世話、乗馬の勉強、イタリア料理の手伝い
- 1日の労働時間: 日によるが5〜7時間程度。そんなに忙しくはなかった。
- 休み: フルは週1日。半日が2日程。
- 部屋: もう一人の男性と相部屋
- ご飯: 食卓は基本いつもみんな一緒(朝・昼・夕)
滞在したのが秋で、ロケーションの標高が高かった事もあり、暖炉で家もお湯も温めている宿泊先は、夜中が寒かったり、お湯がでなかったりした。でも、その伝統的かつ不便な感じが逆に楽しかったと思う。
また、ホストが山を所有して馬を放し飼いしているので、ほぼ山での生活であり、霧が濃い日などはなんともミステリアスな雰囲気を出していたのが忘れられない・・・。
正直ホストとは、私がイタリア語を話せないので、そこまでコミュニケーションがとれなかった。しかし、料理の仕方や家の建築の仕方、乗馬などを教えてくれたので、WWOOFingはとても楽しめた!
トルコ
トルコのチャナッカレ県、人口2人の村には1ヶ月半滞在。フランスの友人と一緒に毎日、ガチョウや鶏の散歩、夕日を眺めながら何もない丘から景色を眺めたり、クルミ拾いをしたり。ご飯は基本オーガニックで、肉も卵も自分たちで動物を狩って皮剥からした。「田舎のスローライフってこんなんだろーな」を満喫できたと思う。
- 期間: 1ヶ月半
- 仕事内容: 鶏やガチョウの世話。小麦粉ひき、隣町までお使い、畑でとれた作物を朝市で販売など。
- 1日の労働時間: 日によるが5時間程度。本を読んだり、ボーっとする時間がしっかり確保できた。
- 休み: フルは週2日。あとはほぼ毎日、半日が休み。
- 部屋: 友人と相部屋
- ご飯: 食卓は基本いつもみんな一緒(朝・昼・夕)
ホストが英語を話したこと、友人と一緒だったこともあって単純に楽しかった。旅の途中だったので長居はしなかったが、できることなら後数ヶ月いても良かったと思わずにはいられない。写真を見てもわかると思うが、ほんとーに畑と動物以外何もないとこで、私は大満足であった。
長期の一人バックパッカーには特におすすめ
長旅は疲れる。どんなに旅が好きでも、一箇所に長期滞在してリラックスしたい事があるはずだ。そんな時に、
食住つき + 友人が増える + 長期滞在できる + 滞在国の日常を体験できる
こんな好条件なかなかないと思う。WWOOFの登録料が国ごとであるにしても、知り合いつてに他国のWWOOFを紹介してもらったりもできるし、融通はいくらでも効く。
Couch surfingなど、旅で人に会うにはたくさんの方法があるが、WWOOFは安定の一手だとオススメしたい。
WWOOFを日本でもやってみよう
最近海外から日本に旅行にきた友人でも、「日本の文化を知るにはこれが一番!」と言って参加している人が増えたと思う。
古き良き日本は田舎にあるのは確かだが、一人で旅行にいってもほとんど英語が通じないし、思うように行かないことは多いはずだ。そんなわけで、外国人に人気なのも納得である。
一方で私達日本人にとってもWWOOFerになるメリットは大きい。スローライフの体験、社会人になると減る人に会う機会、自然を満喫する機会。場合によっては、沖縄の離島なんかも選択できる。
普段農業などの一次産業と触れ合う機会がない私たちも、ウーフなら簡単に実現できる。是非一度利用して欲しい。
まとめ
残念ながら日本語しか話せない場合、ちょっときついかもしれない。なぜかというと、ホスト側も受け入れするウーファーの国文化に興味があり色々知りたいという事が多く、会話が非常に重要になるからだ。でもこれは、英語を話せるホストの傾向であり、現地語しか話せない方なら問題にはならないと思う。
また、WWOOFの1つの問題点は、ホストのレビュー項目が存在しない国が多いことである。田舎なんかに行くと、そうそうすぐに発つ(逃げる)のも難しい・・・事前のメールやりとりをしっかりと意識しながらし、少しでも怪しい/不安と感じたらキャンセルを躊躇しないよう心がけよう。
後は、あくまでゲストという意識とフレンドリーさを忘れなければ、きっと良い思い出ができるはずだ。私個人としては超おすすめなので、是非検討されたし!