ヨーロッパの交通網は複雑で、調べるのが大変ですよね。実際私も何度も、頭を悩まれたものです。中でも一番困ったのが、ユーレイルパスの使いこなし方でした。
この記事は同じような境遇にいるあなた、特に以下のような方にオススメです。
- ヨーロッパに行くのは決めたけど、移動手段をまだ決めていない
- ユーレイルパスについて調べているけど、イマイチよくわからない
- 自分の旅行に合ったパスがどれなのか検討している最中
この記事を最後までしっかり読めば、ご自身にピッタリなユーレイルパスを選ぶことができます。そしてこのパスとなら、最高のヨーロッパ旅行ができる事間違いありません。
利用経験者の私が、一つ一つ丁寧に解説していきますので、是非最後まで読んでみて下さい。
ユーレイルパスとは
ユーレイルパスはヨーロッパの鉄道・船の回数券です。
発行元はブリュッセルにある企業 Eurail Group G.I.E. で、35を超える鉄道会社および船会社が共同で出資して運営されています。
現在31ヶ国40,000都市を網羅し、ほとんどのヨーロッパ諸国に行くことが可能です。
ユーレイルパスの種類と利用可能エリア
ユーレイルパスの種類は大きく2種類に分類されています。
実際、多くの方はグローバルパスを検討していることでしょう。ここからは、より複雑なグローバルパスに絞って解説していきたいと思います。
グローバルパスの種類と有効期間
グローバルパスの有効期間は、「15日、22日、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月」の5種類です。
旅行の期間と、訪問都市数によって適切な日数は異なるので、自分のプランにあったものを選びましょう。
グローバルパスの種類と乗車日数
続いて、乗車日数です。日数ではないので注意して下さい。つまり、その同日であれば何回でも乗車可能という事になります。
乗車日数は大きく2種類に分かれています。
- 連続パス – 期間中なら毎日使用可
- フレキシパス – 期間中の使用日数が限定
またフレキシパスは、期間と使用日数別で細かく分かれています。使用日は自分で選択できるので、後々じっくり考えましょう。
《グローバルパス_早見表》
連続パス(期間中、毎日使用) | フレキシパス(期間中、使用日数が限定) | |
15日 | ○ | – |
22日 | ○ | – |
1ヶ月 | ○ | 4日、5日、7日 |
2ヶ月 | ○ | 10日、15日 |
3ヶ月 | ○ | – |
ユーレイルパスでお得に移動しよう
ヨーロッパは物価が日本より高く、何かと財布と相談する機会が増える傾向にあります。
節約できるところはしっかりしたい方にとって、ちゃんと利用方法を理解すれば、ユーレイルパスが一役買うこと間違いありません。
ユーレイルパスの値段
当然ですが、移動が多ければ多いほど、費用対効果が高くなります。
グローバルパスの値段は、期間や回数、列車等級によって値段はバラバラですが、
記事を書いた現時点では最安値が167€となっています。最新価格は、公式サイトで確認して下さい。
また27歳以下であれば、通常の大人料金から最大25%引きで購入できます。
ユーレイルパスの購入方法
公式サイトをはじめ、日本各地の正規販売代理店で購入できます。予約は利用日の11ヵ月前から可能です。事前購入の場合は、チケットが海外現地から1〜2週間で送付されますので、早めに準備しておくことをオススメします。
一方で計画立てるのが苦手な方は、各国の主要鉄駅窓口でいつでも買うこともできます。
ユーレイルパスの使い方
利用開始前に確認すること
使用開始日のスタンプ(通称: ヴァリテーションスタンプ(Validation Stamp))が押してあることを確認してください。
購入時に使用開始日を設定しなかった場合は、鉄道駅のチケット販売所でスタンプを押してもらいましょう。
トラベルカレンダーに乗車日を記入
フレキシパスの場合、トラベルカレンダー(Travel Calender)に記入が必要です。
トラベルカレンダーとは、チケット表面に記載されている空白のマス目のことを指すので、そこに乗車日を記入してください。
トラベルカレンダーに移動区間を記入
次に、トラベルダイアリー(Travel Diary)に利用した交通機関の全区間記入が必要です。
トラベルダイアリーとはチケットとセットになっている二枚折りの紙を指すので、そこに全乗り換え区間を記入してください。
ユーレイルパスの特典も賢く使う
チケットの種類によっては博物館、美術館などの観光スポットに無料もしくは割引価格で入場することができます。
国ごとに様々な特典があるので、併せて確認しましょう。
意外と知らない、鉄道会社の手厚い払い戻し保証
ユーレイルパスでの保証ではなく、鉄道会社の保証のことなので、気をつけて下さい。
ユーレイルパスで利用する鉄道の一部は予約必須であり、その際に追加料金が発生します。しかし、この追加料金にはしっかりと保証が付いているので、詳しく見てみましょう。
保証条件と内容
もちろん各鉄道会社で異なりますが、ここではスペインの鉄道renfeを例に紹介します。
(2020年4月時)
皆さんが直接関係するのは「遅延時の払い戻し保証」です。
【保証条件】 | ・it also applies in any circumstance, including delays and incidents caused by force majeure.(いかなる理由でも遅延したら対象になります。) |
【保証内容】 | ①運賃払い戻し 15分以上の遅延:50%払い戻し 30分以上の遅延:100%払い戻し②次回運賃20%割引 |
かなり太っ腹!と言っても実際、払い戻しに該当するのか不安だと思います。秘訣は、「とにかく遅延が発生した場合は、ダメ元で窓口で聞く」ことです。日本と違い、自分から主張しないと、なし崩しにされるので、これ超大事です。
払い戻し方法
鉄道会社によって異なりますが、払い戻し受付は、翌日から30-90日後までです。
返金手続きはとても簡単。各鉄道会社の窓口と、インターネットどちらでも可能です。但し、インターネットでの手続きは、クレジットカード払いのみです。
ただし、チケットに記載されている番号で確認するため、チケットは大切に保管してください。
ユーレイルパスのメリット・デメリット
最後に、ユーレイルパスのメリット・デメリットについてお伝えします。自分の旅行スタイルに相応しいか、じっくり検討しましょう。
メリット①:チケット購入回数が減る
旅行者にとって、現地で乗車券を買うのは面倒ですよね。ユーレイルパスを持っていない場合、各鉄道会社のチケットを別々購入する必要があり、大変手間がかかります。
ユーレイルパスなら国際列車や高速列車を除いて、チケット一枚で乗車できるので大変便利です。
メリット②:アプリでサクサク移動
Eurail Groupが提供する、専用アプリがあります。
最短ルートの時刻表を確認したり、列車予約の要・不要も確認できます。勿論、無料で使えます。
デメリット①:移動が少ない人には向かない
旅行中の移動が少ない人には向いていません。例えば滞在予定先が2、3都市であれば、個別でチケットを購入する方が安く済みます。
利用可能回数上限まで使い切る前提で、検討してください。
デメリット②:紛失したら面倒くさい
ユーレイルパスの利用記録は紙媒体のみです。
万が一、紛失した場合は手続きが非常に面倒です。一枚にまとまっている分、管理を徹底する必要があります。パスポートと同じくらい大切に扱いましょう。
まとめ:ユーレイルパスの基礎知識
本記事のポイントをまとめると、以下のようになります。
- グローバルパスならヨーロッパ全域に移動可能
- ユース割引や特典を使ってお得に旅行ができる
- 種類豊富のプランで自分の旅行スタイルに合わせて購入できる
- 遅延時は運賃の払い戻しを鉄道会社にしてもらえる
ユーレイルパスの特徴は、十分理解できましたか?
もし、ご自分で検索したけどどうしても分からないことがあれば、お問い合わせフォームから気軽にお尋ね下さい。または、他にもたくさんある旅の知恵を参考にしてみて下さい。
皆さんも是非、ヨーロッパ旅行の際は忘れずにユーレイルパスを検討し、旅行スタイルなどに合わせて利用しましょう。「ユーレイルトリップ」なんて映画のタイトルになりそうな、素晴らしい海外旅行がきっとできるはずです。