海外旅行に行くと、最初から最後まで注意しておかないといけないのが飛行機の荷物です。
航空会社によって異なる規定があったり、空港によって手順が違ったり、なかなか骨がおれます。特に海外旅行経験があまりない方にとっては、
「荷物チェックで引っかかったらどうしよう。」
「これって機内、預け入れのどっち?それともどっちも駄目なの?」
と深く考え込んでしまう、そんなドキドキハラハラの場面が多く見受けられます。
本記事では、一般的な機内持ち込み手荷物/預け入れ荷物について知っておくべきことを最初に解説し、後章ではより早く、効率的に手荷物の準備をする方法をご紹介します。
機内持ち込み手荷物と預け入れ荷物は英語で言うと?

残念ながら空港、航空会社によって英語の言い方は異なりますので、混同されやすいのが実情です。この章でしっかりと違いを把握して、迷わないようにしましょう。
荷物の英単語
航空便向けには主に2つの言い方があり、「Luggage」と「Baggage」となっています。
両者に明確な違いはありませんが、しいて言うなら、Luggageはスーツケースなどの荷物を入れることを目的としたバック(スーツケース)自体、Baggageは荷物が現在進行形で入った状態のバック(スーツケース)です。
航空会社はどっちも基本同じ意味で使っているので、気にする必要は特段ありません。
機内持ち込み荷物の英単語
これはもう少しややこしくなります。
- Hand Luggage
- Cabin Luggage
- Carry-on Luggage
たまに、Carry-onだけで機内持ち込み荷物の意味で使われることもあります。
預け入れ荷物の英単語
- Checked-in Luggage
- Checked Luggage
各荷物のサイズ・重量の違い

文字通り、機内に自分で持ち込むことができる手荷物のことです。そして、預け入れ荷物とはチケット発行をするチェックインカウンターで預け入れる荷物のことです。
ただこの両者、条件に意外と多くの違いがあり、知らないと損をしてしまう場面も多々あります。では一体、具体的にどう異なるのでしょうか?一般的な海外航空会社の規定にのっとり比較、違いを見ていきましょう。
サイズの違い
- 機内持ち込み手荷物
3辺合計最大120cmが標準的。ただし、3辺合計最大が115cmなどの場合もあり。また最大の長さ、幅、高さという追加制限が設けられていることもあるので要注意。
- 預け入れ荷物
3辺合計最大158cmが標準的。また最大の長さ、幅、高さという追加制限が設けられていることもあるので要注意。
重量の違い
- 機内持ち込み手荷物
最大10kgが標準的。ただしS7航空などの格安航空によっては、7kgという場合もあり。
- 預け入れ荷物
最大23kgが標準的。ただしWizz Airなどの格安航空によっては、10kgという場合もあり。
各荷物に詰め込めるものの違い

それぞれの荷物として詰め込めるものの違いは非常に重要かつ、混同しやすいので、しっかりと説明したいと思います。
それだけ海外航空機に搭乗する上で、両者の違いを理解することは非常に重要なのです。なぜなら最悪の場合、日本に持って帰れたはずのものを空港で破棄しなければいけなくなるからです。
それでは、機内持ち込み手荷物と預け入れ荷物で詰め込めるものの制限/許容範囲をしっかりと、一緒に確認していきましょう。ただし爆発物等は、常識の範囲内ということで割愛します。
また、ANAのサイトなどは荷物情報がわかりやすいので、参考程度に見ておくと良いかもしれません。
機内持ち込み手荷物可で、預け入れ荷物不可の代表例
- モバイルバッテリー(リチウム電池)
- ライターやマッチ類1つ(大抵の航空会社は1つまでに制限)
- 電子タバコ
- 貴重品(宝石、骨董品などの高価なもの)
機内持ち込み手荷物不可で、預け入れ荷物可の代表例
- サバイバルナイフやハサミ、カッターなどの刃物
- ピンセットなど先が尖って鋭利なもの
特に厳しく分かりにくい制限が設けられている荷物
各荷物の中でも「え、こんなに厳しい制限あるの?!」と、トラブルになりがちなものに絞ってご紹介します。
- 機内持ち込みでライター、マッチは1個まで可
- 機内持ち込みでの液体は最大100mmのボトルに小分けし、透明なジッパー付きバック1つに入れると最大1Lまで可
- 預け入れ荷物で、アルコール度数70%の酒類は最大5Lまで可。ただし、購入時の容器に入っていることが条件
中でも、アルコール飲料は各国ごと、地域ごとに規定が異なる場合が多いので特に気をつけましょう。
思わず大丈夫なのか悩んでしまう荷物
- パソコン等のリチウム電池
預け荷物で大丈夫なことが大半ですが、「貴重品」扱いとして拒否されることもあります。
- マスカラ、マニキュア、コンタクト洗浄液、日焼け止めクリーム
液体扱いとなるので、機内持ち込みの場合は気をつけましょう。
- 赤ん坊向け離乳食等
機内持ち込み制限はありません。
- 万年筆
液体扱いです。一方で、ボールペンは制限ありません。
- 貴重品
原則、機内持ち込みのみ可能です。
- 傘
先端がとがりすぎてなければ機内持ち込みも預け入れも可能です。
効率的な機内持ち込み手荷物/預け入れ荷物準備のヒント

本記事で色々と機内持ち込み手荷物/預け入れ荷物について解説してきましたが、正直手間がかかりそうだなと思われた方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために筆者がオススメする機内持ち込み手荷物/預け入れ荷物の事前対策をお伝えします。
コスメ関連は全て預け入れ荷物
液体とみなされますが、預け入れ荷物なら没収される可能性はありません。
海外旅行に持っていく電化製品は最小限、パソコンは機内持ち込み
海外の空港サービスによっては、預け入れ荷物の扱いが悪いのでパソコン等の精密機械が壊れてしまうリスクを回避。
また、電化製品は海外旅行の荷物の中でも重量があるので、電化製品を最小限にし、荷物はできるだけ軽くしましょう。
鋭利/尖ったものは全て預け入れ荷物にする
念には念をいれ、不要なリスクは避けましょう。
判断出来かねる物は全て、航空会社に事前問い合わせで確認
航空会社が開示している規定に反すれば違反なのは間違いないわけで、かと言ってホームページから確認しても、よくわからない場合もあります。よって、機内持ち込み手荷物/預け入れ荷物で引っかかりたくなければ、事前問い合わせが一番安心です。
飲み物は保安検査後に購入
たまに、荷物検査で引っかからない場合があり、ゲート到着後に「あ、そーいえばいれっぱだった!」という事があります。
とはいえ、これは良くありません。無駄なトラブルを避けるためにも、飲み物は荷物検査後のトランジットエリアで購入しましょう。
お土産は保安検査後に購入
航空機乗り換えがある場合は、日本着の便に乗る前のトランジットゾーンで購入しましょう。
そうすることで荷物にカウントされなくなり、また、乗り換え空港の保安検査で没収されるリスクもゼロになります。
*乗り換え空港によっては再度保安検査を通る必要があり、その際に独自の持ち込みルールを課している場合があります。
機内持ち込み手荷物/預け入れ荷物について知っておくべきことのまとめ

今回は、機内持ち込み手荷物/預け入れ荷物の一般的な規定をご紹介しました。
ただし、「一般的」と念押ししてある通り、航空会社によって異なることが多々あります。この一般外に含まれるものの多くは、主に格安航空会社で短距離便を出すWizz Air、Ryan Air、Azur Airline、Peach airなどです。
しかし、S7などの長距離国際便を出している航空会社が含まれることもあります。
また筆者の経験では、荷物のサイズや重量制限が変わることはあっても、荷物の中身制限は基本どこでも同じです。ただ「パソコンやカメラなど壊れやすく高価なものは機内持ち込み荷物でなくては駄目!」というケースは何回かありました。
海外旅行の際は本記事をガイドラインとし、念の為の航空会社のページ確認や、必要に合わせての事前問い合わせはしっかりとしましょう。
その他旅行関連で困っている事があれば、私達にお気軽のお問い合わせ下さい。海外旅行プロの経験をできるだけ活かして、お手伝いできればと思います。または、他の旅の準備関連記事を覗いてみて下さい。