海外旅行と言えば、バックパッカーを思い浮かべる人も多いハズ。バックパッカーとはバックパック(リュック)一つで海外を旅する人の総称です。
最近の海外旅行はバックパックで行かれる方が非常に増えてきており、バックパッカーである筆者としては嬉しい限りです。そんなわけで最近は、「海外旅行に行きたいけど、バックパックの選び方ってあるの?」と質問される事もしばしば。本記事は、バックパックに慣れ親しんでいる筆者としては普段意識していないことも含め、よく聞かれるバックパックの選び方に関する質問を、初めてバックパックで海外旅行をしたい方、バックパックの買い替えを考えている方へお伝えします。
因みに本文では「バックパック(リュック)」と記載していますが、バックパックは英語、リュック(サック)はドイツが発祥となっており、両者ともに同一の意味を持ちます。
海外旅行にはバックパックとスーツケースのどちらを選ぶか

まず最初に、バックパックとスーツケースのどちらを選ぶかが分岐点になるではないでしょうか?当然ですがそれぞれに利点がありますので、行き先によって使い分けることをオススメします。ただし、本記事ではバックパックを中心に扱っています。
海外旅行にリュックを選ぶ
バックパックを選ぶパターンとして以下のような場合が挙げられます。
- 旅行先が発展途上国など、交通事情、道路舗装状況が良くないと思われる。または、事前に判断ができない
- ハイキングやスキューバダイビングなど、自然の中でアクティビティを楽しむ予定がある
- スーツケースのガラガラ音が気になる。このガラガラ音は、実は結構目立つ。「ここら辺に来たことがない観光客がいますよー。」という自己アピールに近いので、個人的には避けています
- いつ必要になるか分からないので、両手を開けておきたい
- 複数都市を旅行する予定
- 旅行予定地で石畳や階段が多い
海外旅行にスーツケースを選ぶ

スーツケースを選ぶパターンとして以下のような場合が挙げられます。
- 旅行先が先進国など、交通事情、道路舗装状況が良いと思われる
- 主に市街地の観光が目的
- 旅行予定の都市数が多くない
- 足腰が悪く、荷物をバックパックで背負えない
- 旅行予定地では石畳や階段が少ない
バックパック容量の選び方

「旅行日数によってバックパック容量は異なる」という方がよくいますが、筆者はそうは思いません。基本的には以下の考え方がおすすめです。
バックパック容量が40L
「海外旅行中に必要なものだけを持っていく予定で、お土産は空港で買う」という方は、40Lがオススメです。
40Lの場合は通常、航空会社の機内持ち込み手荷物で扱われるサイズが大体ですので、現地空港到着後に荷物受け取りを待つ時間を省略できます。また、「預け入れ荷物がなくなった!」という事故、ロストバゲージ(預け入れ荷物の紛失)を防ぐこともできます。ロストバゲージ(Lost Baggage)が万が一起きた場合、最低数日間は届かないと思って下さい。しかも荷物の送り先住所が必要なので、足止めを食らうことになるので、絶対避けたい事故の一つです。
ちなみに私の中では、カリマーのリッジとクーガがお気に入りランクインしてます。
バックパック容量が45―60L
「ちょっと荷物に余裕を持って、現地でのお土産もちょっと入れたい」という方は、45-60Lがオススメです。
預け入れ荷物で扱われる場合が多いのは、念頭に入れておきましょう。勿論、寛容な航空会社だと機内持ち込み手荷物で扱ってくれる場合もあります。ただし、格安航空会社などで機内持ち込み手荷物とみなされるのは、まず無理です。また、寝袋などを持っていく予定の場合は、45-60Lがあると安心です。
バックパック容量が60L以上
「海外旅行先でハイキング等のアウトドア!」という方は、60L以上あると良いです。
ただし、60L以上だと積載量も多くなりますので、足腰がしっかりしていて、普段から15kgのバックパックを背負うのに慣れている方にオススメします。
バックパックが機内持ち込みできるかをサイズで選ぶ

上記で少しお話ししましたが、機内持ち込み手荷物として扱われるサイズのバックパックを選ぶメリットは非常に大きいです。
多くの航空会社の国際便では55cm✕40cm✕25cmが機内持ち込み手荷物のサイズ上限となっており、重量制限は最大10kgです。そしてこれらの条件をクリアできるバックパックは、大抵が容量40L前後のものになります。ただしバックパックは、サイズではなく容量(L)別に販売されている場合がほとんどですので、商品詳細からサイズ確認をしましょう。
それではここで、機内手荷物サイズのバックパックを選ぶメリットを、詳しく分析したいと思います。
バックパックを現地到着後に受け取り待ちする必要がない
入国審査が終了すると、預けた荷物を受取るためにターンテーブルへ移動し、待たなければいけません。最初に出てくればよいですが、運次第なので、下手をすると20分くらい待たなければいけない場合もあります。
バックパックの中身を空港の係員に盗まれたりする心配がない
「え、そんなことあるの?!」と思われる方もいるかもしれませんが、実際にありえます。日本の空港ではまずないと思いますが、海外の空港従業員が荷物の移送中にスーツケースやバックパックを勝手にあけ、中身を盗むといった事例がたまに起こります。
バックパックが汚れたり、濡れたりしない
預け荷物として扱われた荷物の扱いは、空港によってはかなり雑です。飛行機内から始まり、ターンテーブルから荷物がでてくるまでに濡れたり、汚れたりするのはよくあることです。これを避けたい場合は、空港の有料サービスで荷物にラッピングをしてもらうか、バックパック用のカバーを掛けた後に預けることをオススメします。
リュックをおすすめブランドから選ぶ

バックパックはブランドによって、機能性、カラー、容量等が異なるものがでています。またブランドによって材質が異なったり、容量表記は同じでも実際には多少の違いがあったり、レインカバー付きとそうでないものがあったり、背面構造が異なったりします。
しかし、山登り好きや既にバックパッカーの方なら分かると思いますが、結局のところ、ブランドへの愛着で決める方がほとんどです。「デザインがカッコいい!」や「この色が欲しい!」で、まずは候補を絞り、実際に背負ってみましょう。ブランドごとにデザインの傾向は異なるので、意外と絞りやすいはずです。
だたし個々人で背中の形、肩の幅など細かい違いがありますので、バックパックを背負ってみることなく購入するのは非常にリスクが高いです。私は、絶対におすすめしません。また背負う際は、10kg程度のおもりを入れてもらうことを忘れないようにして下さい。おもりが無いと旅行時の感覚が分からないので、正直背負ってみる意味がありません。
バックパックを防犯力で選ぶのは間違い

バックパックは基本、刃物で裂かれればあっという間です。残念ながら、防犯性は期待できません。防犯性を求めるならスーツケース、または機内持ち込み手荷物扱いサイズのバックパックを選びましょう。
ただし勿論、ジッパー部分にロックをつけるなどの対策はできます。また、バックパッカーはお金をあまり持っていないというイメージが海外では強いですので、狙われにくく、ある意味で防犯性が高まると言えます。
因みに筆者個人の意見としては、数あるバックパックブランドの中でも、イギリス発のKarrimor(カリマー)は全般的に素材が丈夫で、裂かれにくいと思います。
女性向けバックパックの選び方、オススメは存在しない

女性向け、男性向けでバックパックの背面サイズや、肩幅などは当然異なります。しかし、それ以上の要素はないと思います。しいて挙げるなら、俗に言う女性向けカラーというモノがあるということでしょうか。
どのバックパックも基本的には女性向けと男性向けの2種類がでていますので、「女性向け」という言葉は意識せず選びましょう。
バックパックを選ぶその他のポイント

上述してきた選び方以外にも、以下のようなポイントが挙げられます。ただし、選ぶ主要素は既述したものになりますので、あくまで参考程度にして下さい。
- 外ポケットが複数ある
- 汚れが目立たないカラー
- バックパック外側に荷物を縛る、掛ける機能がある
- ボトルホルダー(サイドポケット)がある
- 2気室構造になっている
海外旅行プロがオススメするバックパック(リュック)の選び方のまとめ

海外旅行プロがオススメするバックパック(リュック)の選び方はいかがでしたか?
バックパックの選び方は意外と難しくないということが、ご理解いただけたと思います。特に初めてバックパックでの海外旅行を考えている方は、色々考えすぎてしまうことが多いと思います。
そんな方に筆者がオススメする方法は、「まずは本記事を参考にして手頃な価格のバックパックを選び、とりあえず一度海外旅行に行ってみる。」です。もし使用したバックパックが使いにくい、物足りないと感じたら、帰国後に中古としてネットで売り、ご自身のバックパッカー経験をもとに新しいものを購入しましょう。
本記事でご紹介したのはあくまで、万人に当てはまる選び方のオススメです。究極的には、各個人がバックパックに求める要素は当然異なります。よってご自身が海外旅行中に感じた不便な点や良かった点が、最高のバックパックの選び方の一番の近道になるのです。
他にもバックパックで大切な事は色々あるので、こちらを確認するのを忘れないようにして下さい!