最近人気のクロアチア観光。そして、旅程でほぼ必ず立ち寄るのが首都、ザグレブ。独特の街文化を大いに満喫しませんか。
クロアチアの首都ザグレブは、ヨーロッパの中でも隠れた魅力を持つ都市として知られており、豊かな歴史と文化、美しい建築物、そして温かい人々が訪れる者を魅了します。観光ガイドやインターネット上の情報では捉えきれない、地元に住んでいるからこそ知っているザグレブの本当の魅力をお届けできるよう頑張ります。
同時に、隣国間の移動手段等、ザグレブを訪れた後に役立つ情報も合わせてお伝えします。
ザグレブ市内の観光事情
市内中心部には、美しいゴシック建築のザグレブ大聖堂や、カラフルな屋根が特徴的な聖マルコ教会があります。イリツァ(Ilica)通りやドラツ(Dolac)市場では地元のグルメや新鮮な食材を楽しむことができます。また、多くの博物館やアートギャラリーも点在し、文化的な体験も充実しています。徒歩やトラムで移動しやすく、観光客にとって便利な環境が整っていること間違いありません。
大聖堂(Katedrála Nanebevzetí Panny Marie)
ザグレブ市内のどこからでも見える壮大なゴシック様式の大聖堂で、壮大なステンドグラスが目玉の観光スポットです。13世紀に建設が始まり、何度も改修が行われた結果、現在の姿になりました。ただその「改修」が頻繁かつ長期間行われるため、中に入れなかったり、写真のように部分的にカバーされている光景の方が日常に感じられます。
国立劇場(Hrvatsko narodno kazalište u Zagrebu)
この劇場は、バロックと新ルネサンス様式が融合した豪華な建築様式で知られ、クロアチア国内外のさまざまな演劇、オペラ、バレエの公演が行われています。チケットが販売されると、即売り切れになることが多いので、予約は余裕を持って行いましょう。
失恋博物館(Museum of Broken Relationships)
旧市街のほぼ真ん中で、ロープウェーを登ってすぐにあるので、ロケーションは抜群です。個人的には、何が良いのかよいかは分かりませんが、コンセプトが珍しいので多くの旅行者が立ち寄っています。後、オープンしたのは2010年と、かなり最近です。
ドラツ市場(Market Dolac)
ドラツ市場の上階では、色とりどりの傘の下で地元の農家が新鮮な野菜、果物、花などを販売しています。左奥には海鮮の屋内売り場があり、地下のエリアでは、肉、魚、乳製品、パン、手作りの工芸品などが売られています。特に朝早く訪れると、市場が最も活気に満ちている様子を楽しむことができます。
周りにはお土産屋さんも多いので、お土産を揃えるには良い場所かもしれません。全体的に値段が高めなのは、立地が良いから仕方がないです。
石の門(Stone Gate)
石の門は、ザグレブの旧市街であるグラデツ地区への主要な入口の一つです。内部には、聖母マリアと幼子イエスの絵画が安置されており、この絵画は1731年の大火事の際、奇跡的に無傷で残ったとされ、その後、この場所は巡礼地として信仰の対象となりました。今日でも多くの人々が訪れ、キャンドルを灯し、祈りを捧げています。
なかなかの写真スポットだと思いますが、真面目にお祈りしている人もいるのである程度は自重しましょう。
聖マルコ教会(Church of St. Mark)
まず目に飛び込んでくるのが、教会の色鮮やかなタイル屋根です。遠くからでも一目でわかるこの屋根には、クロアチア、ダルマチア、スラヴォニアの紋章とザグレブ市の紋章が描かれており、青空の下で一層際立ちます。タイルの一枚一枚が丁寧に並べられており、その美しさに思わず立ち止まって見入るはず。多くの観光客にとって、写真を撮る手が止まらないスポットです。
ミロゴイ墓地(Mirogoj Cemetery)
ミロゴイ墓地は、その美しさと静寂さで訪れる人々を魅了する、ザグレブの隠れた名所です。広い道を歩きながら、美しい墓石や彫刻を眺めると、時間がゆっくりと流れていくのを感じます。また、ここには宗教や文化を超えた多様な埋葬地があり、クロアチアの歴史や多文化共生の一端を垣間見ることができます。実際にキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の区画が共存しており、宗教間の調和を象徴する形となっています。埋葬された人の中には、クロアチアの有名な詩人であるペトル・プルラディッチの墓や、科学者ニコラ・テスラの家族も含まれているので、墓石探しをしてみるのも良いかもしれません。
マクシミル公園(Park Maksimir)
街中から近いですが、とても大きく、動物園も隣接しています。一息つきたいときに、緑がたっぷりあるマクシミル公園は、とても居心地がよいです。地元民にとって、毎朝のジョギングや散歩のために欠かせない場所がここです。
また、季節ごとにさまざまなイベントやフェスティバルが開催され、春の桜祭りや、夏の音楽フェスティバル、秋の収穫祭など、いつ訪れても楽しみがあります。特に夏の夜には、星空の下で映画上映会が行われることもあり、ロマンチックなひとときを過ごすのにぴったりですよ!
ザグレブ市内でのタクシー
とりあえず言えるのは、絶対に個人タクシーは使用しないでください。現地人でもぼったくりに合うことがあります。一番カンタンかつ安全、そしてリーズナブルな料金なのは、BoltやUberです。タクシー大手ももちろんありますが、私はBoltとUberのみをおすすめします。とにかく、簡単に使えるのが嬉しいですし、後で問題があれば運営会社にアプリから問い合わせもできるからです。
ザグレブ市内でのトラム・バスの乗り方
ザグレブ観光にトラムは欠かせません。結構便利で、お値段も安いので是非利用してください。特にバスターミナル(Autobusni kolodvor Zagreb)から旧市街に向かうには便利ですが、歩いても全然いけることには、いけます。
シングルチケット購入
チケットはタバコ屋さんや、キオスクで簡単に購入できます。ただし、チケットのZONE(目的地のエリア)と乗車時間によって使用するチケットは異なるので、気をつけましょう。詳しくは、公式サイトより確認してください。
チケットの切り方
ドライバーのすぐ隣にある機械と、車両の最後方にあるものでチケットを切ることができます。それ以外は、電子対応しかしていません。
チケットをきちんと切ると、「ジー、ジー」という音とともに印字されます。
トラムやバスの注意点
最低限、大事だと思うことをお伝えします。
チケットは必ず持ち、切る
一般人と見分けのつかないスタッフが、チケット・コントロールをしょっちゅうしています。見つかると罰金なので、気を付けてください。最悪、手持ちにチケットがないけど公共機関を使用したい場合は、乗車後にドライバーから購入しましょう。
Google Mapの時間は正確じゃない
Google Mapの問題というよりは、ザグレブ市内の公共交通機関を管理するZETとGoogleの連携の問題だと思われます。時間には余裕を持って行動しましょう。
その他のチケット種類
期間指定チケット(3、7日等)や、プリペイドもありますが、基本ザグレブ観光は徒歩になることが多いと思います。また、購入もシングルチケットと違って複雑なので割愛します。
じゃあタッチ式の機械は誰が使うのか?
これはプリペイドカード用、基本的に日々公共機関を使用する人、所謂現地人向けです。手続きも複雑なので、この選択肢はないものと思ってください。詳しくはこちら。
チェコなどだと、クレジットカードやデビットカードを車内の機械でスキャンするだけで紙チケットいらず。かなり便利なので、ザグレブでも導入して欲しいものです。ただ、ここ10年以上ずっとこのままなので、あまり期待はできません。
ザグレブから / への移動の仕方
基本的に、クロアチア国内はバス、またはミニバスです。電車や飛行機もありますが、そこまでコスパが良いとは思いません。一方で、クロアチア国外行きは電車もありだと思うので、以下でご紹介します。
個人的にはザグレブ – リュブリャナ間は鉄道、それ以外はFlixbusやArrivaが良いかなと思います。あまり適当にバス会社を選ぶと、かなり古いバスを使ってたりするので、夏なんかはエアコンが必要なので慎重に会社は選びましょう。
ザグレブ – ドブロブニク間の移動
1. 飛行機
飛行機はザグレブからドブロブニクまでの最も早くて便利な移動手段です。フライト時間は約1時間で、クロアチア航空や他の地域航空会社が定期便を運航しています。
飛行機を利用する最大の利点は、短時間で移動できることです。わずか1時間のフライトでザグレブからドブロブニクに到着できます。また、比較的快適であり、長距離の移動による疲労を最小限に抑えることもできます。さらに、ドブロブニク空港から市内へのアクセスも良好で、到着後の移動がスムーズです。一方で、飛行機のチケットは他の移動手段に比べて高額になることがあります。特にピークシーズンには料金が上がるため、予算に影響する可能性があります。また、航空会社の規定により、荷物の制限があることもデメリットの一つです。
2. バス
長距離バスは、ザグレブからドブロブニクまでの移動手段としても人気があります。バスの旅は約10〜12時間かかりますが、クロアチアの美しい海岸線や山々の風景を楽しむことができます。
バスでの移動は、比較的安価であることが大きなメリットです。多くのバス会社がこのルートを運行しており、柔軟にスケジュールを組むことができます。
3. 電車
ザグレブからドブロブニクへの直接の鉄道ルートはありませんが、電車を利用してスプリットや他の都市に移動し、そこからバスやフェリーに乗り換える方法もあります。
電車での移動は、比較的快適な座席とリラックスした雰囲気を提供します。クロアチアの美しい景色を楽しみながら移動することができるため、旅の一部として楽しめます。また、鉄道の旅には独特の魅力があり、ゆったりとした時間を過ごすこともできます。ただし、直結する鉄道ルートがないため、スプリットや他の都市での乗り換えが必要となり、結果として長い移動時間、スケジュール調整が必要になります。また、乗り換えの手間がかかるため、少し複雑に感じるかもしれません。
ザグレブ – ブダペスト間の鉄道移動
ザグレブからブダペストまでは直通列車が運行しており、所要時間は約6~7時間です。主要な鉄道会社はクロアチア鉄道(HŽ)とハンガリー鉄道(MÁV)で、日中の便と夜行便の両方があります。日中の便を利用すれば、明るい時間帯に風景を楽しみながら移動でき、夜行便を利用すれば宿泊費を節約しつつ目的地に朝到着することができます。
チケットはオンラインで購入することができ、事前に予約することで確実に座席を確保できます。クロアチア鉄道やハンガリー鉄道の公式ウェブサイト、またはヨーロッパ全体の鉄道予約サイトを利用すると便利です。
ザグレブ – プリトヴィッツェ間の移動
1. バス
ザグレブからプリトヴィッツェまでの最も一般的な移動手段はバスです。所要時間は約2時間半から3時間で、複数のバス会社が毎日運行しています。バスターミナルはザグレブ市内中心部にあり、アクセスも良好です。また、プリトヴィッツェ湖群国立公園の入口近くまで運行しているため、到着後すぐに観光を始められます。
2. ツアー
ザグレブ発のプリトヴィッツェ湖群国立公園への日帰りツアーが、多く提供されています。ツアーガイドが同行し、移動手段と観光がセットになっています。fすべての手配がツアー会社により行われるため、計画を立てる手間が省けます。また、移動と観光が効率よく組み合わされており、短時間で多くの見どころを訪れることができます。
リュブリャナ – ザグレブ間の鉄道移動
リュブリャナからザグレブまでは直通列車が運行しており、所要時間は約2時間15分から2時間30分です。主要な鉄道会社はスロベニア鉄道(Slovenske železnice)とクロアチア鉄道(HŽ)で、1日に数便が運行しています。リュブリャナからザグレブを結ぶ列車は、1日に複数便が運行されているため、スケジュールに合わせて柔軟に移動できます。朝早く出発して日中の観光を楽しんだり、夕方の便で移動して夜をザグレブで過ごしたりと、旅行プランに合わせて選択できます。
チケットはオンラインや、直接駅で購入することができ、事前に予約することで確実に座席を確保できます。スロベニア鉄道やクロアチア鉄道の公式ウェブサイト、またはヨーロッパ全体の鉄道予約サイトを利用すると便利です。特に観光シーズンには座席を確保することを、強くオススメします。
ベオグラード – ザグレブ間の移動
現地の人にとっては、バスを利用するのが最も一般的です。ただ、どの方法でいっても国境の検問があるので、場合によってはかなり時間がかかってしまいます。
1. 電車
ベオグラードからザグレブまでの鉄道移動は、ヨーロッパの鉄道網を利用して快適に移動できる方法です。直通列車が運行しており、所要時間は約6~7時間です。
2. バス
バスはベオグラードからザグレブまでの移動手段としても一般的です。所要時間は約6~8時間で、複数のバス会社が運行しています。
3. 飛行機
ベオグラードからザグレブまでの最も早い移動手段は飛行機です。直行便のフライト時間は約1時間です。
ユーロへの両替とカード決済
理想は、日本国内にいるときに済ませておくことです。または、WISEや Revoultカードを使って割安に両替するのが良いと思います。街中であれば、大体はMASTERやVISAカードで支払いができるので、そんなに大金を持っていく必要はないのかなと思います。
どうしても現地で両替する必要がある場合は、空港での両替はできるだけ避けましょう。Google Mapで「Mjenjačnica」のキーワードで検索して、評価が良いところを探しましょう。
カフェのおすすめとおわりに
ザグレブにはたくさんの魅力的なカフェがあり、美味しいコーヒーやスイーツを楽しみながらリラックスしたひと時を過ごすことができます。正直どこがよいかと言われると、カフェは頻繁に入れ替わり(閉店等)がありますし、個人ごとに好みもあると思うので割愛します。
ただし、Zagreb City Museum(ザグレブ市博物館)の隣にあるKavana Palainovkaは、旧市街では私のお気に入りですので、寄ってみると良いかもしれません。ちなみに、ザグレブ市博物館はあまり有名な観光スポットとなっていませんが、とても素晴らしい博物館だと思います。また、多くの国で一人旅をしてきた私としてはJarun(ヤルン)湖とMirogoj(ミロゴイ)墓地が、一押しスポットとなっていますので、是非立ち寄ってみてください。